つぎさん家

つぎさん家

独り言がだだ漏れ

アニソンを鳴らすには・・・

どうも つぎです

 

以前、自らのオーディオ観について記事を公開しました。

 

hedelick.hatenablog.jp

 

あれは広義のオーディオ観ですが、今回は狭義のオーディオ観としてお話できればなと思います。

 

というのもありがたい事に質問箱で質問が来ていました。

 

f:id:hedelick:20180113093549p:plain

 

近日とか言って一ヶ月近く記事書いてなかったのごめんなさい()

 

気を取り直して、せっかくなのでアニソンを鳴らすコツについて書いていきたいと思います。この記事はとても長いので時間のある時にご覧ください!

 

 

 

まず、アニソンはどういう鳴り方をするのか

 

そもそもアニソンというジャンル自体が広すぎて焦点が絞れませんが、ここは私が試されてると考えて自ら焦点を絞っていくスタイル・・・!

 

まずは、ただ漠然と「アニソン」と一括りにすると説明が難しいので、私の独断と偏見で解してあげることから始めたいのですが、

 

・アニソンは、オールジャンル存在する(OPやEDの他にサントラに収録されている曲もアニソンなのでオーケストラやJazz、EDMなど多岐に渡ります。)

 

・アニソンを鳴らす上で難しいジャンルはロックやキャラクターソング(特にユニットもの)

 

・アニソンは、アニメの世界観もあってこそのアニソン

 

・アニソンを語る上で世界観の他にサントラのブックレットについてくる作曲家さんの曲に込めた思いや製作背景も目を通してそれを踏まえて聴くとなお楽しめるようになってます。

 

・基本的に音圧が高く、海苔音源が多く存在する。最近はハイレゾの登場もあり、音数が増え音圧に余裕のある曲作りが出来ている。

 

オーディオの観点からアニソンの必要な部分を解すとこんなところでしょうか。

 

さて、そうと決まれば本題の「アニソンをうまく鳴らすコツ」について解説していきたいと思います。

 

アニソンを鳴らす上で一番苦労するのは音の表現が思った以上にうまくいかないことが多いのではないでしょうか。

 

各々好みの音があると思いますが、アニソンは音圧の高さやマスタリングの質がバラバラだったりするので好みの音に調整したと思えば別の曲で腑に落ちない音になってしまった・・・。そんな体験はありませんか?

 

特に今のオーディオ環境は、どのメーカーも高解像度基調で音の柔軟性が乏しいと感じています。

 

ということで、ここから5つのコツを解説していきます。5つ目にに近くになるに連れて難易度が上がっていきます。本当は5つ全て実践して頂きたいのですが、自分のできるところから、もしくはどれかを参考にしてみてください。

 

第1のコツ: 「どんな傾向のアニソンを聴いているのか確かめてみよう」

 

f:id:hedelick:20180113202441j:plain

 

 

話は変わりますが、就職の面接の際に必ずと言っていいほど自己PRしてくださいって言われますよね。あれに近い感覚で自分の長所や短所を調べるように、自分が聴くアニソンもどのようなジャンルを聴くのか傾向をまずおさえるところからはじめてみましょう。

 

もちろんこれしか聴かない!ってことはないと思いますが、ざっくりボーカルモノとかある程度は知っておいた方がいいと思います。

 

第2のコツ: 「能率が良い出口を導入してみる」

 

f:id:hedelick:20180113202455j:plain

 

能率が良いと言われるとよくわからない方が多いと思うので簡単に説明すると「音量の取りやすい」モデルのことです。

 

音量が取りやすいとどうなるかというところまで説明すると、「音の張り出し方が強くなり、表現力が増す」というメリットを享受できます。

 

現行スピーカーの話になりますが、能率が90db以上ないモデルがほとんどです。と言うのも、能率がそもそも低いとアンプのパワーに頼らざるを得なくなるので、下手な環境だと音が奥まって聴こえたり、音が横一列に並ぶように平面的に聴こえたり、大事な音の躍動感が損なわれているような状況がよくあります。

 

逆にポータブル環境は能率が良いのでスピーカーよりも音数が多いですし、音が近い距離で鳴るので据え置き環境(スピーカー)でポータブル環境の音を再現すると倍以上はお金がかかるとよく言われることがありますが、大体は現行スピーカーが能率が悪いせいです。

 

第3のコツ: 「機器同士の相性を考えよう」

 

f:id:hedelick:20180113202516j:plain

 

ざっくりとしたコツで申し訳ありませんが、これが意外と疎かになりがちです。

 

私は過去に様々な機器を試聴しましたが、出口の音は組み合わせる機器によっていろんな表情を見せるぐらい音が変わるという経験を何度もしました。よく「鳴らしきる」という言葉を使いますが、この言葉を裏返せば「自分の好みの音に近付いた」ということです。つまり、今までの音は自分に取って相性が良くないと感じていたということです。

 

しかし、それだけでは足りないのがアニソンオーディオの難しいところ。

 

アニソンオーディオは、先ほども述べた通り曲によって鳴り方が全く異なる場合がほとんどなので「鳴らしきった」だけでは聴いていくうちに不満が出てくるはずです。

 

そこで役に立つのが次のコツです。

 

第4のコツ: 「空間表現を極めよう」

 

f:id:hedelick:20180113202533j:plain

 

前述した通りアニソンは曲によって鳴り方が全く異なる場合があります。ジャンルも違うとなると余計に難しいのは当たり前です。

 

また、どれだけオーディオ機器を上位機種に変えてもオーディオ機器の性能の良さだけ目立つばかりで、音源を活かすはずのオーディオ機器の性能が良すぎて無理やり音源を鳴らしてしまっているという現状です。そんな中で、数は少ないですが追従できる高音質音源も存在しており、デジタルの粋を集めて録音品質からこだわり音源化してるので、オーディオ性能が良ければ良いほど音源の再現性が高まります。しかし、それはアニソンに当てはまらないことが多く「アニソンはクソ音源ばかり」「こんな海苔音源は聴けない」という評価に繋がるのも無理はないと思います。

 

では、どううまく鳴らせば良いのか。私は一つの答えとして提示したいのが空間表現です。

 

・音像

 

・定位

 

・響き

 

この三位一体を表現することでオールジャンルのアニソンを賄えると今のシステムになって感じるようになりました。一つずつ解説していきます。

 

まずは音像について。各々のパートはレコーディングの際やMixの段階で楽器の位置が決まりますが、その位置が出口で表現できているかです。簡単に言えば音の立体感や骨格です。

 

続いて定位ですが、空間表現の第2段階として出口で表現した音が左右のスピーカーから音像が独立して表現されているかです。これが表現できると実際に1音1音の楽器の音が聴こえ、さらには楽器の位置までもがわかります。これが表現できないと音が団子になり音が平面的になります。また、ステレオ感だけ出てても骨格が伴わないと前述した音像が乏しいため立体感が生まれません。

 

最後に響きです。これが一番の難しいポイントだと私は思っています。音像や定位は、比較的出やすいです。しかし、響きはポータブルシステムならイヤホン→イヤーピース→耳と空間が狭いため限界があります。過去にスピーカーのように広いサウンドステージを再現しようとして違和感を感じる製品をたくさん聴いています。逆に据え置きのシステムは部屋の容量やスピーカーによっていくらでも響きを出すことができますが、スピーカーが大きくなればなるほど、そして部屋が広くなればなるほど今度はコントロールが難しいため、下手したらお風呂場のような空間表現になってしまい、音像や定位が両立できないということも考えられます。響かせれば良いっていう問題ではありません。

 

では、音像も定位も伴った適度な響きが生み出す先にある空間表現とはどのような音になるのか・・・。私はエラックとSPEC、そしてタンノイと換装済みの真空管アンプで知りました。

 

それは、「出口の機器の存在が消える」という体験。音が部屋中に充満します。耳で聴くと言うよりも身体で聴く。ライブの空気感はまさにそれです。会場に充満する観客の声、マイクを通したアーティストの声。そして何よりアドレナリンが出るんじゃないかと思うぐらいの熱気。よく1階席や2階席などと言う表現をしますがそういう空気感とは違います。あれは、あくまで距離のことを指してることが多いのでこの場合とは切り離して考えてください。

 

なので、この三位一体のおかげで音が目の前で鳴っている上に熱いハグまでされているような感覚になります。

 

 

第5のコツ: 「音域の調整」

 

f:id:hedelick:20180113202613j:plain

 

ここまで私が音域の事を語っていなかったのは、1〜4までのコツが実現できてこそだと思っていたので最後のコツとして残していました。

 

簡単に言えば、自分がどういう風に鳴れば気持ちよく聴けるのかです。高域が〜kHzまで伸びて綺麗とかそういうのではなく、可聴領域で自分がどの音域を中心に聴きたいかです。第4までの全てのコツをクリアしていれば、音域はおのずと追従してくれるはずです。よく低域が主張しすぎると中域と高域が潰れると言いますが、私の環境には当てはまりません。これは物凄く自信があります。何故ならこの第5の領域までたどり着けたからです。

 

また、レビューで低域・中域・高域に分かれてレビューしていますが、音源とアンプと電源環境の影響で簡単に覆ります。音源は何度も言いますがマスタリングやMixの時点でどのパートや音域を強調するのかを決定します。それを増幅する際に電圧の変動やアンプに搭載されているトランスやコンデンサーなどの部品により覆ってしまうのです。それぐらい深い音域の調整ですが、第5のコツはそう言う段階です。

 

実は、私も第5のコツはまだまだ改善の余地がある領域です。この領域で変化することは既に電源環境を最低限整えたのといくつかアクセサリーで実践済みですので次はスピーカーに手を伸ばすところです。

 

 

まとめ

 

アニソンを鳴らすコツと言ってもジャンルが多岐に渡るため、贅沢に鳴らそうとすると非常に懐の深い再生能力が求められます。よって妥協点は自ずと必要になりますが、それでも実現できた時はアニソンも感動する領域へ足を踏み入れることができます。

 

「音圧が」「音源が」という、ごく当たり前の壁にぶつかるということも全くなく、現状のシステムでアニソンを鳴らすのに不足はありません。

 

最後に、私は「原音再生」よりもいかに私たちが普段生活してる中で耳にするノイズ、すなわちありふれた環境の中での聴こえ方=「普通」をオーディオシステムで再現できるかがアニソンにも通じるところなのかなと思っています。

 

考えてみてください。私たちが普段聴いてる音で煩いと感じる物って人工的な物ばかりでないですか?救急車のサイレン、車のエンジン音などなど。

 

変わって鳥の声や木々のさえずりなど、人工的ではない自然界の音に煩いと感じることは少ないと思います。本来私たちが聴いてる音というのはそういう音なんです。それを無理に性能で殴るような音に仕立てあげてしまうことはナンセンスだと思っています。

 

つまり、アニソンも音圧やMixの仕方で極端な音になってしまっているはずなので、それをなるべく「自然に」戻してあげるというのが私のオーディオのアプローチとなっています。だからこそ私は真空管アンプで音を歪ませて調和させていく手法を取っています。

 

f:id:hedelick:20171008081909j:plain

 

参考までに「真空管の歪み」と「デジタルの歪み」の違いをご紹介させて頂き〆たいと思います。

 

www.itmedia.co.jp